毎日の保育を考えると、保育士としてスキルアップをしたいと色々な場面で思う事があると思います。
私は、絵を描いたり製作をしたりすることが苦手で、更にはピアノも得意ではないことから、毎日の保育がとても憂鬱でした。
子どもは大好きなのですが、これは得意ですというものが何もなく、はじめて保育科の授業を受けた時に、「どれも苦手なことばかりだった」と後悔したことがありました。
しかし、そんな私が自分の子育て中に、保育士として転職をすることになりました。
同じ年の保育士とは15年以上もキャリアの差があり、若手の保育士と違うのは、子育ての経験があるだけという立ち位置でした。
何もかも出来ない私でしたが経験を積み重ねる中で、どんなスキルアップをすればよかったかを考察してみます。
保育士のスキルアップ「実技の力」
保育園では、保護者が仕事に行っている間、子どもと生活をし毎日を過ごしていますが、
生活だけでなく、教育的な部分も指導計画にあり一人ひとりの成長発達を考えて、生活や遊びを行っています。
これらの遊びを充実させるため、実技の分野が占める割合はとても大きいです。
そこで、どんな実技があるのかを見ていきましょう。
ピアノ編
私が勤務している園はキリスト教保育を行っていますので、毎日季節の歌や童謡に加えて讃美歌を歌います。毎日のことなのですが、ピアノを弾くことになると緊張から指が動かず、歌がストップしてしまったりと、一人反省会の毎日を送りました。
このように、ピアノを弾く機会が多い園もありますが、園によってはCDを使う場合もあります。
私もピアノが得意だったらと思わない日はなかったですが、毎日ピアノを弾くことで、1年2年と経過して、必要最低限の歌は弾けるようになりました。継続は力なりですね。
保育士になったことがきっかけで、ピアノを始める人も多いので、30代40代50代になってもピアノが趣味のように取り組めると、毎日の保育が更に楽しくなると思います。
絵画・製作編
自分の受け持ちのクラスだけでなく、朝、夕や行事などの時は、異年齢の子どもと関わることがあります。
子ども達が集まるまでの少しの時間、簡単に絵が描けると、絵かき歌やクイズなどで、楽しみながら待つことが出来ます。
私は簡単な絵も苦手なので、少しの時間があればこれをしようと準備をしていきました。時々、絵の得意な保育士が、即興で絵を描く様子を見ては、とてもうらやましく思っていました。
子ども達は、年中・年長児になると遠足や運動会の経験は記憶をたどり。絵を描くことが出来るようになってきます。手を大きく動かして書いたり色使いなども考えたりと、一人一人の見え方で出来上がりが違ってきます。
下書きをして似顔絵を描いたり、子どもがアイディアを出し、生活発表会の背景や使う小物等も作ったりしますが、絵を描くことや製作が大好きなら、更に楽しい時間を子どもたちと過ごせますね。
私も試行錯誤の末、コピーや写真などを利用するようしましたが、保育士の中には絵画教室に通うなど自分の好きな分野を高めている保育士もいます。
運動編
私はピアノや絵・製作は苦手ですが、走ったり鉄棒・跳び箱・ダンスは得意です。
運動会や遠足・生活発表会でのダンスなど、身体を思いきり動かすことで、子どもたちは笑顔になります。
子どもの興味や関心と、やってみようとする力は毎回すごいエネルギーだと感心します。
身体を動かすことが苦手な方は、子どもたちと一緒に「鬼ごっこ」「追いかけっこ」などをして楽しんでみてはいかかでしょうか?更には、リフレッシュも兼ねてスポーツなどを始めることもいいかもしれませんね。私は、筋トレを始めました。
保育士のスキルアップ「コミュニケーション能力」
人間関係を円滑に進めるために必要なのは、コミュニケーション能力です。
保育士という専門職は、子どもや保護者の他に上司や同僚など、多くの関係性の中で仕事をしています。
子どもだけなら楽しいことが多いかも知れませんが、複雑な人間関係の中で仕事をしますので、どこかしら問題が起きてきます。
こういう時に、どのようにコミュニケーションをとっていくかの能力が問われることになります。
私も自分の子どもを預けていた頃に、保育士の一言で傷ついたことがあり、今は反対の立場で保育をしていますので、言葉にはとても気をつけています。
保育の研修などで、心理学や家庭支援・子育て支援などありますが、研修は勿論のこと本を読んだり先輩保育士の対応を見たり相談したりしながら実践あるのみです。
目の前の子どもとその保護者、そして上司や同僚などと、スムーズな関係が築けるようにしていきたいですね。
保育士のスキルアップ「カウンセリング能力」
毎日の保育の中で、子どもや保護者から困ったことや悩みなどを聞くことは多いです。
更には、同僚や新人保育士なども日々の保育に悩んでいます。
そんな時、相手の気持ちに寄り添う事は大切ですが、話を聞くことがしんどいと感じる時もあるのではないでしょうか?
こういう時に、カウンセリングの方法を知っていると、相手の悩みに呑み込まれることなく、
相談者自身が自分で答えを見つけることが出来るようになります。
私も保育士として勤務をしながら10年が過ぎるころから急に相談されることが増えてきました。
保育士同士の人間関係ならば、お互いによく知っている人という事もあり、片方側の話だけを聞いていると、結果相手の悪口になってしまい解決しないまま話が終わり、言った方は何となくすっきりするけど、聞いた方はどっと疲れるという事の繰り返しになっていることは、数限りなく・・・・。
しかし、カウンセリングの話法を知っていると、話す方も自分自身を顧みることが出来、聞く方も負担なく聞くことが出来るという事が、カウンセリング研修でわかりました。
悩む人の為だけでなく、自分自身のためにも勉強していきたいですね。
保育士のスキルアップ「体調管理」
保育士は、毎日子どもと遊んで身体も使いますが、実は頭も使っい、更には気も遣っています。
そこで、まずは保育士自身が健康であることがとても重要です。
新人保育士であればあるほど、子どもから病気をもらう事が多いです。
そこで、手洗いうがいは勿論ですが、早寝早起きをして生活リズムを整えることで、
保育士自身もメンタルが安定し、笑顔で子どもの前に立つことが出来るでしょう。
私は新卒で保育園に就職しましたが、すぐに子どもから風邪をもらい熱を出しました。
しかし、体調が悪いと言えずに3日ほど熱が下がらずに出勤しました。
その後も、数カ月に1度は発熱するという事が続き、保育士と言う職業は
体質に合わないのではないかと悩んだこともありました。
この経験から、やはり体調管理は大切だと実感しました。
保育士のスキルアップ「パソコン」
保育士の毎日の書類が、この2~3年で手書きからパソコンに移行した保育園も多いのでは
ないでしょうか。
書類のみならず、園だより・クラスだより、研修報告までもが、パソコンに変わってしまいました。
便利になったのか不自由になったのかわからないと感じるほど、パソコンの作業に時間がかかる50代以上の保育士たち。
一方、若手と言われる20代から30代の保育士は、保育の書類やお便りも、難なく仕上げ更にはパソコン苦手の世代の保育士に教えるということが起きています。
保育は勿論ですが、パソコンスキルも必要になってきた保育士です。
私はWordやExcelと言われてもわからないことだらけですが、パソコンスキルもピアノと同じで毎日作業をすることで、必要なことを一つひとつ覚えています。
保育士のスキルアップまとめ
一昔前までは、保育士と言えば子ども遊んで楽しそうというイメージがありましたが、これまで保育士のスキルアップを考察してきたように、幅広い知識と経験・実技の力が求められるようになってきたといえるでしょう。
保育士不足や少子化待と言われていますが、待機児童が増えている状況に変わりがないのが現状です。
保育士は誰にでも出来るというイメージはありますが、そういうわけでもありません。
と言うと、保育士不足の今、「大変そう」「面倒くさい」などの声が聞こえてきそうですが、私は「子どもが好き」だけで、保育士を選びました。
何もできないし苦手なことだらけでしたが、資格を活かすという事で子育て中に再就職をしました。そして、職業で育てられることが沢山あるということも学びました。
しかし、これは出来るという得意分野が一つでもあれば、保育を何倍にも楽しむことが出来るのではないでしょうか?そこから、一つずつ得意分野を広げることも可能です。
私は、出来ないことが沢山ありすぎ悩んだことで、今では若手保育士の出来ない気持ちを理解することが出来るようになりました。そして、この悩みはどこから来ているのかもわかるようになってきました。これも、スキルアップの一つだと思っています。
これから保育士になる方、既に保育士になった方、ドラえもんのポケットのようにその時々に合わせた遊びを提供するためにも、自己研鑽していきましょう。
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