園児の朝ご飯のメニューは沢山ありますが、一人一人好みがあるので忙しい朝は、子どもが食べてくれるメニューが食卓に並ぶことが多いようです。
保育士は、毎日の連絡ノートで就寝時間・起床時間や夕ご飯・朝ご飯の時間やメニューを知ることが出来ますので、連絡ノートは、家庭と保育園をつなぐ大切な役目をしています。
そこで、私が0歳~2歳児を担任した園児の朝ご飯の人気メニューをご紹介していきます。
園児の朝ご飯事情
園児の朝は、とても早いです。ある時、昨日の19時に「また明日ね!」と見送った子どもが、翌朝の7時の時計の音が鳴ると同時に、登園してくるという時期がありました。ご両親の仕事の事情で、この子どもは、6時には朝ご飯を食べていました。
そして、入れ替わるように、次の1組が登園してきます。「今日は、朝ご飯食べなかったので、バナナを半分食べてきました」など、日ごろと変わったことがあれば、会話から朝の様子をくみ取るのですが、このように朝ご飯を食べなかったと聞くことが年々増えているように感じます。
そして、私が勤務する保育園では、その日の気分で朝食を食べたり食べなかったりする子どもと、朝ご飯は食べないで登園してくる子どもがいるという傾向があることがわかりましたので、そのお話をしていきます。
朝ご飯を食べる派
私が見てきた子ども達で、朝ご飯を食べてくる子どもは、家庭で朝ご飯を食べる家族がいるという場合でした。
一見、当たり前のように感じると思いますが、朝ご飯を食べるという事は、「食べる事が好き」「好き嫌いがない」という事にもつながり、朝の活動の時間を元気に過ごし、お腹を空かせて給食を待つという、生活リズムが整っている子どもでした。
朝ご飯を食べない派
一方、朝ご飯を食べない子どもですが、子ども自身がなかなか起きられず食べる時間が無かった場合と家族と食卓を囲んだが食べなかったという子ども自身に課題がある場合と、保護者自身がそもそも朝が起きられず朝食を作れないことや、朝食を食べる習慣が無い場合に、子ども達は朝ご飯を食べずに登園して来ていました。
私が保育士になって間もない頃は、朝ご飯を作らなかったり作れなかったりする保護者がほとんどいなかったので、この10数年の間に家族の形や食事事情が大きく変化してきていることを痛切に感じました。
「低血圧で、朝が起きれません」と悩む母親、「朝ご飯は、高校生の頃から食べてないです」と食べないことが当たり前の若いお母さんたちに出会うと、「ステックパンを買って置いたり、夜寝る前におにぎりを作ってみては?」とアドバイスすることもありました。「そうですね。買っておきます」「あー、毎日ご飯炊かないので・・」など、返事は様々です。
朝ご飯人気メニュー
私が育ってきた昭和の時代は、親・祖父母世代が戦前・戦後で、食べるに苦労した時代に育てられたことから、栄養面でも食べ物の量でもしっかり食べる事が良しとされてきました。朝は、ご飯に味噌汁、卵焼きや焼き魚、煮物など、それはそれは品数も多かったです。
ところが、平成・令和と時代が流れ、私が勤務する保育園でも、朝ご飯の内容が大きく変化してきました。今までの朝食とは明らかに、内容も量も変わってきています。
その中で、0歳~2歳児の子どもが朝ご飯として、毎日の連絡ノートに書いてくる物を見ていきたいと思います。
おにぎり
0歳児は、1歳のお誕生を過ぎた頃から幼児食になります。この時期は、何でも自分でやってみたいと思う時期なので、私は、自分で食べたいと思う時期には、おにぎりが大活躍しますとお話をしています。一口サイズにして、自分でつまんで食べることにも満足できるからです。
そして、だんだん好き嫌いが出来てくると、白ご飯が嫌だと思う子どもがいるので、そんな時にもふりかけや海苔などでおにぎりを作り、これにみそ汁やスープ、卵焼きなど加えれば、立派な食事になります。
パン
ご飯が嫌ならば、パンという手もあります。パンなら何個でも食べられる子どもも多いです。連絡ノートにも、「パン」だけの文字があることが多く、それプラス、ウインナーや卵・トマトブロッコリーなどでも食事が豊かになりますので、私はちょっとした工夫をお勧めしています。見た目も美味しく食べられると思うので、是非一工夫して、子どもが笑顔で登園できるようにと願っています。
バナナ
バナナも、連絡ノートにの朝ご飯の欄に書かれています。「先生、何も食べなかったので、せめてひと口でもと思って、バナナを食べさせました」「バナナしか食べないので」と聞くことが多くなっています。
しっかりと朝ご飯を食べてきた私は、『すぐにお腹がすいてしまうかも』と心配していましたが、毎年同じような話を聞いていると、『食べてくるだけで大丈夫』と言う気持ちにもなって来るから不思議です。昔からバナナは万能食と言われていますから・・・。
昨夜の残り
朝ご飯の食卓に並ぶ人気メニューは、『昨夜の残り』と言う家庭も多いです。お好み焼き、グラタン、ドリア、カレー、中には焼き鳥までありました。朝から、好きなものを食べられて、しかもしっかりと食べてくることが多いので、私としては安心のメニューです。
ヨーグルト
ご飯もパンも昨夜の残りも無く、しかも固形物は朝から食べられないとでもいうように、嚙まなくてもいいヨーグルトは、0~2歳まで毎年数名は朝ご飯の代わりとして食卓に並んでいます。
ここでも、『ヨーグルトのみは、給食までにお腹がすくから・・・』と心配をする私ですが、このような傾向の子どもが増えてくる度に『ヨーグルトだけでも食べてこられて良かった』と次第に思っている自分に驚きます。
園児の朝ごはんメニューまとめ
これまで、園児の朝ご飯メニューを紹介してきましたが、保育園児の朝は早く十分な食事時間が無いままで登園することもあるので、「これがメニュー?」と疑問に思われるかもしれません。しかし、全く食べないというよりは、何かを口にして登園するという事がどれだけ大切なことかを私は保育士として感じていますので、これらも十分、朝ご飯のメニューだと思っています。
特に、『食べる事が好き』『好き嫌いがない』という事に越したことはありませんが、『食事に関心が無い』『好き嫌いが多い』『噛むことが苦手』という子どもが増えていますので、私は3度の食事は大切にしていきたいと思っています。
朝ご飯を食べないのは、子ども自身や保護者の課題があります。しかし、私は初めて口にする離乳食から食事が始まっていると思いますので、この最初の時間を親子で丁寧に過ごしていけたらいいと思っています。初めて保育園に入園してきた保護者には、そのように伝えています。そして、子どもが、朝ご飯を食べる事が習慣になるという事を期待しています。