保育園で持ち物の間違いを経験したことがある保護者や保育士が園児の持ち物の入れ間違いをしてしまったという事は、お互いにあることだと思います。
私は保育士になって間もない頃、沢山の間違いをしてしまい、その度に落ち込んでは胃が痛くなりました。「誰が入れ間違った?」から始まり、「何故間違った?」と一つの間違いから深堀して、反省するパターンを何度となく経験してきました。
そこで、保育園で持ち物の間違いが多い原因と対策を保護者と保育士目線で検証してみました。
保育園で持ち物の間違いが多い原因
入園の際には「持ち物全てに名前を書いてください」と言います。当たり前のようですが、それがなかなか出来ないのが現状です。
私が間違ってきた中に、名前が書いてなかったという事があり、たびたび「これ誰の?」と青ざめていました。一クラス20名越えで、Tシャツ、ズボン、肌シャツ、鞄、靴・・・。沢山ありすぎます。
私は、この名前のあるなしが間違いの大きい要因になっていると思いました。
保護者編
入園直後は持ち物全てに名前を書いているのですが、1ヶ月2ヶ月と過ぎ季節が変わったり、体が大きくなることで衣服が変わる時がやってきます。
しかも、住んでいる地域がほとんど同じなので、衣服を買う店はだいたい決まってきます。特に、サイズ違いのお揃いの衣服を時には2~3人の子どもが着てくることがあります。
また、お下がりなどを着てくると、衣服の名前の訂正が出来てないことがあり、この名前の子どもはうちのクラスではないという事もあります。
このようなことが重なると、持ち物の間違いが多くなってきます。
私が困ったことの中に、お昼寝前のパジャマに着替える際、自分で脱いだ服が3人分散らかっていました。名前なしのズボンと明らかに貰い物のTシャツが混じっていた時でした。「これ、誰の物?」と他の保育士に聞いても首を振られ、完全に迷子です。子どもに確認しても相手は0歳児。誰に聞いても「うん」と言うだけで・・・。
名前を確認しながら衣服をまとめますが、時間に追われると雰囲気的にこれはAちゃんが着ているからと思い込み間違うという事が起きました。
お昼寝前のパジャマに着替える時は、こんな風に衣服が飛び交いますし、他の場面でも似たようなことは起きるので、記名は必ずお願いしますと繰り返しますが、保護者に徹底出来ないことが悩ましいです。
保育士編
保育士は、時間差勤務で働いていることが多く、朝と夕方の保育士が違う場合があります。
登園時着ていた衣服は給食や手を洗う時に汚したり濡らしたりで着替え、帰る間際にも汚して着替えます。
このように、急な着替えや、給食・お昼寝・おやつ等多くの子どもが一斉に着替えたり。使ったものを出し入れする時間帯などに間違いが起きてしまいます。
例えば、給食の時にスープをこぼすことがありますが、Tシャツやズボンを着替えたあとは、自分で汚れた衣服をビーニール袋などに入れて鞄に入れることが出来るのは、年中・年長児です。
自分で入れることが出来ない0~2歳児は保育士が全てを行いますので、慌てたり他のことを考えていると入れたつもりが隣の鞄だったというような入れ間違いをしてしまう事が多いのです。
あわてんぼうの私が間違う時は、いつもこのパターンでした。
保育園で持ち物の間違いが多い物
では、どのような間違いが多いのか、私が実際受け持ったクラスで間違った物を検証してみます。
まず、保育園や自宅の周辺の店舗で買う、Tシャツ・ズボン・肌シャツ・靴下・タオル類です。
同じ歳であれば、サイズも同じくらいです。
色違いもありますが、その年の人気の物であれば、色柄が同じになることが多いです。
また、入れ間違いは、連絡帳・汚れたものを入れた袋などがありました。
特に私が間違ってきたものは、衣服やタオルなどの汚れ物や連絡帳などが主で、特に個人情報が書かれている連絡帳は、間違った方と間違えられた方とに謝罪し、冷や汗をかいたことがありました。
保育園で持ち物の間違いが起きた時
私が経験した中で、クラスで持ち物の間違いが起きると、不思議なことに同じ子どもで起きてしまう事が続きました。
間違わないようにと注意を払えば払うほど、間違ってしまうという事が起きてしまうのです。
そこで、間違いが起きた時にどのようにしたかのお話を続けます。
保護者編
私が対応したときは、子ども達の降園後、連絡帳や給食エプロンなどを出す際に、持ち物の間違いに気づき、すぐに電話で「お友だちの物が入っていました」や、連絡ノートに「うちの物が入っていませんでした」などでした。
連絡帳などの個人情報が書かれている物の場合には、「明日、持ってきてください」とお願いすることになりますが、とても申し訳ない気持ちになります。
また、エプロン等の汚れたものは、洗ってもらうのは申し訳ないので、「明日、そのままでお持ちください」と言いますが、ほとんどの保護者の方は、洗濯出来るものは洗濯をして翌朝持ってきてくださり感謝です。
保育士編
保育士が間違ってしまった時には、保護者に謝罪し間違えた持ち物を手渡しでお返しすることが
多いです。
また、紛失するということも時々あります。
この場合は同じもの、又は似たもので弁償をすることになります。
しかし、お祝いにもらった物や子どものお気に入りの物の時は、クレームにもなりますので
気を付けていきたいものですね。
私が靴下を紛失した時に、名前を書いていなかったことから、クラス全員の保護者に声かけをして大捜索したことがありました。しかし、残念なことに見つからず謝った時に、「名前を書いていなかったから、私も気を付けます」と保護者の方に言って頂き、お互いに反省をして終わりましたが、間違いや紛失は後味の悪いものでした。
保育園で持ち物の間違い対策
間違いが起こると、更に続けて間違いが起きてしまいます。
では、このような時にどのように対処すれば持ち物の間違いを無くせるのか対策について考えてみます。
保護者編
保護者が出来る対策として、私が思うには、繰り返しになりますが全ての持ち物に名前を書くという事が1番だと思いました。
同じ色柄であっても、名前があればほとんどの場合戻ってきます。
名前が無ければ、間違っていることに保護者自身が気が付かないこともあります。
その上、何度も洗濯すれば名前が薄くなってしまって読めなくなることもありますので、定期的に名前の見直しはお願いしたいです。
保育士編
私が見てきた中で保育士の立場からは、誰がどのタイミングで間違うかなど細かく見ていくことが大切だと思いました。
原因となる場所や時間帯などを把握して、焦ったり間違いやすい場所は移動するなどして
改善していけば、かなり間違いは防げるはずです。
そして、保育士の動線に無理や無駄が無いかの確認をし、一人の保育士で持ち物を鞄に入れていくなどして繰り返さないように工夫も大事です。
私が4人担任のクラスで働いていた時に経験して、良かったと感じたことがありました。
それは、給食時に使った子どもの食事用エプロンと、おやつの時に使ったエプロンを持ち帰りの袋に入れる保育士が変わることで、かなり頻繁に入れ間違いが起こりました。
これでは誰が入れ間違っているのかわからず、このような時に限って同じ子どもの物を間違えるという事が続いてしまいました。
担任間で話し合った結果、早く片付けたいという思いが間違いにつながったのかもしれないという事で、給食やおやつのエプロンを入れる時間帯にいる保育士1名で慎重に入れることとなりました。
その後、間違いはなくなりました。
担任で話し合うことで対策を見つけていくという経験は、その後にも活かすことが出来ました。
保育園で持ち物の間違いまとめ
保育園での持ち物の間違いは、間違った方も間違えられた方も、嫌な気持ちになります。
更に、間違わないようにと気を付ければ気を付けるほど、間違ってしまうという事が起こってきました。
持ち物の間違いは無いに越したたことはありませんが、保護者の立場であれば、持ち物全てにはっきりと名前を書いたり、わかりやすい目印を付けるなどの工夫をするといいかもしれません。
保育士は、保護者に記名のお願いをしたり保育士間でコミュニケーションを取りながら
間違いに気を付けていくということになるでしょう。
私が保育士になりたての頃に持ち物の入れ間違いを沢山経験して来たことで、間違いについて考えてきたことが、若手の保育士にも反面教師として伝えることが出来良かったです。しかし、経験が長くなるとコツもつかめ間違いが減ってくることも経験出来ました。
これまで、私の経験を元に、保護者の立場と保育士の立場から検証してきましたが、持ち物の間違いが起きる前に、間違いが起こらない予防対策も考えられるといいと思います。